久しぶりにニューヨークに出かけた。今回3泊なのだが、実はこれまで2泊以上したことがない。僕の東海岸行きの多くは政治の街ワシントンDCであり、経済の街ではないのである。青い日系航空会社が成田発と羽田発の2便を毎日運航していて、便利になった。今回も羽田発の便が取れ、現地午前10時過ぎにJFK空港に到着。イミグレーションも空いていて、直ぐにタクシーに乗ってダウンタウンへ向かった。
この街こそ、人種のるつぼである。ワシントンDCは黒人比率が高いが、ヒスパニックや東洋系は少ない。ニューヨークでは、これらの人種がモザイクのようになって街を歩いている。広い道が整備されたDCとは異なり、道が狭い。人もクルマも混み合った中をすり抜けていく。これじゃあ渋滞も仕方ないと思うし、ちょっとした息苦しさも感じる。
地下鉄網も発達しているのだが、入り口が分かりにくく狭い。道端のところどころ、地下に降りる階段があるだけ、東京・パリ・DCなどのそれとは違う。一番近いのはロンドンかな?古くて狭くて、エスカレーターの整備もままならない駅が多いようだ。息苦しさは、地表だけのせいではない。視線を上に向けると、空も狭いことがわかる。古いビルも多いが、例外なく高層である。こんなところでビル火災が起きたらどうなるのだろうと、ちょっと不安。
チェックインしたホテルも、1フロア10部屋のペンシルビル。50階建てである。エレベーターには「火災などの時は使用しないで下さい」とあるが、その時は人生はこれまでと思う方が間違っていないだろう。画像はワールドトレードセンター跡(いわゆるグラウンド・ゼロ)に建った新しいビル。ホテルから北へ地下鉄で一駅の距離にある。ここでは、真珠湾攻撃を超える3,000人からの人が亡くなった。ちょっとだけ、厳粛な気持ちになりました。
<初出:2017.7>