30年以上前、最初に外国に降り立ったのはサンフランシスコだった。最終目的地はラスベガスのＩＴ関連カンファレンスに出ることだったが、サンフランで乗り継ぎの１泊をした。偶然現地事務所に事業所の同期入社の人が赴任していて、フィッシャーマンズ・ワーフ（うーん、ベタだ）で夕食を共にした。記憶では、カジキのステーキを食べたように思う。
それ以来何回かサンフランは通過しているが、意外と市街には行っていない。空港を降りても向かうのは南、シリコンヴァレーが目的地だからだ。そのうちサンノゼに日本からの直行便ができると、サンフランシスコ空港すら縁遠くなった。
ボストンからサンフランへ飛んできて、ここでの日程も無事終了した。ソウルから始まった海外行脚も今日で終わり、ミッションも午後に解散した。今夜の食事は一人で、勝手なものを食べることにする。
ホテルにも立派なレストランがあって、前々日はパスタとシャルドネの夕食にした。できれば２度同じところは避けたいが、タクシーに乗ってまで市街に出かける気力はない。そこでスマホのGoogle Mapを見ると、近くにスーパーマーケットと寿司屋がある。まずスーパーへ行ってみたが閉鎖されていた。ホテル呑みパターンはこれで潰えた。隣の寿司屋、「SUSHI BBQ TOFU」とあって、BBQがあるということは、韓国焼肉もメニューにあるな、と思った。アメリカでは、一般に日本と韓国の分解能はない。
ふと思ったのが、有名なカリフォルニア・ロールというのを一度も店で食べたことがないこと。店で、と断ったのは一度ワイキキでパックのお寿司を買った時、入っていたのを食べたことがあるから。そうそう、カリフォルニア・ロールを食べることにしよう。入ってみると割と空いていて、窓際の４人席に案内された。店員はみんな東洋系の若い人、日系・韓国系・中国系の区別はつかない。メニューを見ると、案の定焼肉・ビビンバ・チヂミもある。でも初心貫徹、寿司セットを頼む。ソウルは先週行ったばかりだし。
飲み物は地元ということで、ケンダル・ジャクソンの白（シャルドネ）を頼む。そうすると、枝豆・味噌汁・その他の前菜が運ばれてきた。このあたり韓国風。それにしても味噌汁最初に出しますかね？右端にあるのがカリフォルニア・ロール、６カンもある。マグロ・サーモン・ハマチ・エビなど握り寿司も６カン、それにマグロ・サーモンの刺身も２枚づつある。刺身というより、切り身のようなぶ厚さである。
枝豆はパサパサ、キュウリの酢の物は味気ない、味噌汁はぬるい。まあ、タダだしご愛敬ではある。サーモンの刺身は美味、マグロは日本の方がうまいかな？で、お目当てのカリフォルニア・ロールだが、中身はカニカマが大半、少しアボカドが巻いてある。お味の方は、まずまずというところ。なによりボリュームが凄い。アメリカですからね。
＜初出：2017.5＞
