Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

MITという街

 スタンフォードと共に大学発ベンチャーを輩出しているのが、MIT。マサチューセッツ州ケンブリッジにあり、チャールズ川の北岸に700ヘクタールばかりの広大なキャンパスがある。人的規模はそれほどではなく、教職員1,000人あまり、学生数は11,000人超。東大や慶應、早稲田よりは小さく、東京工業大学程度である。

 

 しかし工科大学(Institute)と名乗っていても工学部だけではなく、人文科学の学部もある。医科大学院もあるから総合大学といっても過言ではない。これは昨今のイノベーションが「学際」や複数の学問の掛け算(例:医療×ICT)で起きやすいことから、有利なことである。

 キャンパスを歩いていると、これはひとつの「街」ではないかと感じる。自動車のナンバープレートがMITで始まるクルマが走っているくらいだ。「MIT Catering」などというのはいいとして「MIT Police」ってなんなのだろうかと思う。

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 MITの中心には天井にドームをいただいた「Maclaurin Building」があって、この前庭で卒業式が行われるという。学長公邸というものもあるようで、古式ゆかしい建築に感心しながら重厚な建物群を抜けてチャールズ川を下っていくと、急に近代的なビルが現れた。これが「MITメディアラボ」。ここでは主に表現とコミュニケーションに利用されるデジタル技術の教育、研究が行われている。
 
 メディアラボを設立し初代所長を務めたのが、有名なニコラス・ネグロポンテ教授。現在は、4代目の伊藤穣一教授が所長を努めている。ネグロポンテ教授はギリシア移民、伊藤教授は当然日本人である。世界で一番優秀な人を集めるという考え方であり、まさにグローバリズムを具現化した機関だと思いました。
 
<初出:2017.5>