米国には大学発のベンチャー企業が多い。大学のサークルのノリで会社を興し、ガレージで試作品や製品を作り世に問うと、上手くいくものも出てくるというわけ。古くはヒューレット&パッカードもそうだし、アップルもマイクロソフトもそうだ。ガレージメーカーと戦うには自らもガレージへ降りなくてはいけないと巨人IBMが「Entry Systems Division」を作った話は以前に紹介した。
今をときめくイーロン・マスク氏は本当に宇宙ビジネスがしたかったようで、それでも最初は電子商取引のイーベイを立ち上げ大きくして売りに出し、出来た資金で電気自動車を作り始めた。これがテスラである。
サンフランシスコ周辺にはテスラの事業所や関連企業が増殖しているという。いずれも、従来型の産業が衰退したあとのアセット(土地・人材等)を使っているのだろう。そして彼はとうとう宇宙ビジネスへの一歩を記そうとしている。こういう、会社を作ってIPOかM&Aでお金を手にし、次の会社(事業)をするというのがパターンである。
サンフランシスコ空港から南へ、フリーウェイ101を飛ばしていくと30分くらいでパロアルトの街に着く。101沿いには有名なインターネット企業がビルを連ね、交通量もボストン/ケンブリッジの比ではない。それでもパロアルトの街に入ると、落ち着いた住宅街のイメージ。
スタンフォードの周辺で、いくつかのスタートアップ企業にも会った。いずれも未来のHPやアップルになる可能性のある企業たちだ。そのバイタリティを、日本にも持って帰りたいように思います。
<初出:2017.5>