Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

民間の55年体制

 「連合」を巡って、政界の動きがいろいろ出てきた。連合とは正式名称を「日本労働組合総連合会」といって、日本の労働組合におけるナショナル・センターである。2015年現在約690万人が、(間接的に)加盟している。政治的には民進党支持だが、昨今の政界事情もあって不協和音が出てきている。

 
 例えば先日の新潟知事選挙、連合は共産党自由党社民党が応援する米山氏ではなく与党推薦の候補を応援した。民進党は「自主投票」だったので、表面上の矛盾はない。しかし終盤蓮舫代表が米山氏の応援に現地入りし、党内も含めてぎくしゃくした。新潟知事選挙はさておき、民進党の選挙方針(政策方針ではない)は野党共闘である。しかし連合神津会長は、民進党共産党の連携を好もしく思っていない。これに対し、
 
 ・政党に介入しすぎ (社民党
 ・応援団にすぎない連合に、政策決定権はない (自由党
 ・野党共闘を妨害する御用組合 (経済学者)
 
 などの批判が集まっている。
 
 そこに、いかにも二階先生らしいのだが、神津会長と二階幹事長との会談がセットされた。これはただ会談したというだけでも、解散風が吹き始めている永田町に大きな波紋と疑念を撒き散らす効果がある。
 
 別の報道だが、連合は次期春闘でもベア2%を目標に掲げるという。その交渉相手はというと、経団連だった。その写真を見ていて、少し納得できた。以前自民党社会党の「55年体制」について、対立は表面上で国会対策委員会を通じてつながったコインの表裏だと書いた。それが民間にもあって、今でも残っているとすると・・・経団連(経営者側の代表)と連合(労働者側の代表)なのではないか。
 

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 本当に昭和55年ころのことは知らないが、最近の経営者側・労働者側というわけ方はあまりはっきりしているとは言えない。雇用関係も多様化(非正規増・終身雇用減等)していて、以前よりはベンチャーや個人事業も増えた。産業界という意味では、経営者も労働者も同じフネに乗っている同志だ。どちらが欠けても日本の産業界は成り立たない。もうそろそろ表面を飾るのはやめにしたほうが良いように思うし、連合の存在って意味があるかどうか考えてもいいだろう。
 
<初出:2016.10>