Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ゲームのような列車旅(2)

 「遅い乗り物が好き」という彼は、国鉄全線完乗という(僕からみれば壮大な)目標を持っていた。当時、国鉄の総延長は2万キロを超えていた。しかし、1日数本しか列車が走らない(超)ローカル線もある。これもまた「ゲームのような」試みだ。これは、時刻表とエンピツだけという机上旅行ではない。本当に出かけてゆくのだ。
 
 そういうわけで、彼を含む何人かで山陰・信州・北陸・東北などを旅することになった。学生なのでなるべく安くというのが、条件になる。夜行列車を使い、周遊券を最大限に活用、国民宿舎に泊まり、食費も切り詰める。
 
 周遊券には、ずいぶんお世話になった。ワイドとミニがあり、ワイドは東北全部とか九州全部、ミニは松江周辺とか金沢周辺とかが、一定期間乗り放題になる。特急には乗れない(追加料金がかかる)が、目的地までの往復も含めて急行の自由席はOK。当時は、急行もいっぱい走っていた。

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 夜行の急行も自由席が連結されていれば、目的地までの往復に重宝する。また、普通列車の夜行というのも数本あった。記憶にあるのは、京都⇔出雲市、名古屋⇔大阪(紀勢線経由)、東京⇔大垣くらい。さて旅程を決めるのだが、結局プランナーは僕になった。みんな好き勝手なことを言う。
 
 ・xx線には絶対に乗る。
 ・xxという町のxxは見たい。
 ・xxは食べないと帰れない。 等々
 
 しかし、滞在期間は限られている。これらのニーズをどうやって満たすのか?これもまた、ひとつのゲームになっていった。
 
<続く>