日本企業の欧州拠点は、ロンドン・パリ・ブリュッセル・アムステルダムなどいろいろなところにある。ただ人口比率で1%近くが日本人というのは、デュッセルドルフだけではなかろうか。先ごろ、青い日系航空会社が直行便を飛ばし始めたので、初めていってみることにした。
厳密には20年ほど前に近くのアーヘンという街で1週間仕事をしたことがあり、その帰路に空港は使ったことがある。そのときはクルマの中から眺めただけだったし、市街地を歩くのはもちろん初めて。
成田発(羽田だったらもっと良かった)で、約12時間のフライト。現地16:00に到着、夏場なのでまだ真昼である。イミグレーションはいたって簡素なもので、空港そのものもコンパクトな方だろう。日本人団体客が数組乗っていて、多くはトランジットの方向に歩いてゆく。まあ、団体客がこの街を目的にすることは少ないだろう。降りたとしても、バスでケルンなりアムステルダムなりに連れて行ってしまうだろうから。
いろいろな所に行って、1週間程度コンドミニアム/アパルトマンを借りて「暮らす気分」を味わうのが、僕ら夫婦の楽しみだが、もう少し欲もある。引退したらもっと長い期間これらの街で暮らすことも経験したくて、その候補地を探しているのだ。2週間とか1ヵ月という単位の滞在となると、単にうまい食財調達ができるとか気候が優しいとか以上のものが必要になる。
例えば医療。急に具合の悪くなる時もあるかもしれないから、そんな時も普通のケアは受けたい。ホノルルなどは日本人観光客や滞在者向けの医療は充実しているようだが、ヨーロッパではどうだろうか?そこで日本人が多く住む街デュッセルドルフは、偵察してみる価値のあるところだと思った。
結論から言えば、日本人街のようなものはなく、和食の店が多いわけではない。現地駐在員たちは、社会に溶け込んで普通に暮らしているのだろう。もちろん、それが使命である。まあ、インターネット上の日本人コミュニティもあるようだし、今度はもう少し深めの偵察をしてみたいと思った。
<初出:2016.8>