ワイキキの東端ダイヤモッドヘッドに近い海岸に、小さな水族館がある。少しだけホテル街から離れているので静かな環境にある。背後は広大なカピオラニ公園である。一回り15分もかからない規模で巨大な水槽があるわけでもないが、手軽に太平洋の生き物を間近に見ることができる。
オアフ島には数えきれないビーチがあり、一杯海の生き物がいるが、ダイビングでもしない限り、じっくり見ることはできない。子供連れが多く、トンネル状の展示室には歓声が起こっている。アニメ映画"Finding Nimo" で有名になった、カクレクマノミが泳いでいた。毒性の強いイソギンチャクの中に隠れるのが得意技なので、そう呼ばれている。特別にイソギンチャクの毒に対する耐性があるらしい。実物を見たのは初めてで、思ったより小さな魚だ。
沖縄の水族館でも「近隣の魚」の展示があったが、要するに熱帯魚である。色鮮やかな魚たちが、ちまちま泳いでいるのは面白い絵柄だ。背景となってるサンゴも色とりどりで、ちょっとしたダイバー気分、水中探検気分にひたれる。
中には写真のような比較的大きな魚もいるが、カメとかアシカのような大型の海棲動物はいない。売り物のひとつが、小型のアシカ「ハワイアン・モンク・シール」のはずだったが、休演中らしい。
替わりに植物の展示コーナがあって、ここではボランティアの人がいろいろ説明してくれる。よく聞き取れない英語だったし、特にきれいな植物でもなったので通り過ぎてしまった。かなり古い水族館のようで、派手なアトラクションもないが、ワイキキでちょっと時間が空いた時には、足を延ばしてもらうのもいいかもしれない。
＜初出：2016.10＞
