大国中国の近代化への道を開いた人、孫文。いろいろなところに遊びに行って、彼の足跡を多く見た。彼を創始者とする「中華民国」を今でも名乗る台湾には、蒋介石と並んで記念碑なども多い。またマレーシアのリゾート地ペナン島を訪れた時も、孫文が清国の迫害を逃れて住んでいた住居というのが観光名所になっていた。
ホノルルのダウンタウンでの滞在も終わりに近づいたころ、今後もこのコンドミニアムに来ようと思って周辺の調査をしていた。隣にロングスドラッグスというコンビニ、1ブロックでウォルマート、スーパーマーケットは3ブロック離れたところのセーフウェイがある。バス停は目の前も含めて付近に一杯あるし、何年か後には真珠湾の反対側から空港経由でやってくる鉄道も通る。丸亀製麺やマクドナルドなどファーストフード店も一杯あって、便利だなと思いながら歩いていた。
チャイナタウンへつながるホテル通りの入り口に、フェンスで区切られたちょっとした広場があった。その奥に中国服を着た少年の銅像が立っている。他に目立ったものは無く、この少年像のための広場と推定される。日本語のガイドブックには何の記述もないので、像の説明文を読んでみた。
この像は、孫文の13歳の時のものと分かった。彼は12歳で当時のハワイ王国にいた兄孫眉をたよってホノルルに来て、イオラニスクールを卒業したのだという。彼はその後香港で医学を学んだが、そのベースとなる考え方(西洋思想やキリスト教)はハワイで得たものらしい。19世紀の巨人であった孫文、こんなところにも足跡を残していたのかと、感慨深かったです。
<初出:2018.2>