Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ホワイトカラーの生産性(前編)

 「働き方改革」関連法案で、国会が揺れている。厚生労働省のデータ関連の不手際から、裁量労働制の部分は今国会では議論しないことになり、野党からは高度プロフェッショナル制度も含めてきっぱりあきらめろとの声が上がる一方、経団連・同友会・商工会からは「経済振興への目玉だったのに」と落胆の声も聞かれる。
 
 電通の若い社員が自殺した事件や過労死問題などを受けた感情的な議論が前面にでてきて、「働き方改革でなく(大企業優遇の)働かせ改悪だ」という話になってしまった。与党や官邸の側でも、過労死問題などに対応するとのスタンスもあったかと思う。しかしちょっと待っていただきたい。この法案の真の目的とは、「ホワイトカラーの生産性向上」だったのではないか?製造現場を中心に、日本のブルーカラーは非常に高い生産性を誇っている。現場の整理整頓に始まり、工程や工数の改善を現場の人自ら提案するなど安全対策まで含めて、世界に冠たる「現場」だと僕は思っている。
 

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 一方ホワイトカラーの方はというと、無駄な資料作りやだらだら続く会議、意味のない顧客訪問や接待など正直恥ずかしい実態がある。製造現場はどんどん海外に出て行って、日本の産業界は早々にブルーカラーの努力に依存する体質から脱却しないといけないのに、その時ホワイトカラーたちが今のままでは日本は二流以下の国になってしまう。今回の「働き方改革」関連法案については、残業時間にばかり焦点があたったのは、政治家や官僚が民間実態を十分理解していなかったからだとこの記事は言う。この議論が始まってから、一番まともな意見だと思う。
 
 
<続く>