Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ボリュームランチ(みろくや)

 ふとしたことで右手の小指を傷めてしまった。お医者さんによると化膿はしていないと言うことだが、先端が赤く腫れあがり、第二関節まで太くなっている。一晩ズキズキする痛みに耐えて診察してもらう頃には、痛みは薄らいでいた。「抗生物質でも出しておきましょう」と言われて、特段包帯してくれるわけでもなく帰された。

 
 小指の先を何かにぶつけない限り痛みはないのだが、いくつかできないことがある。まず文字が書けない。右手の小指を浮かせるとまともにペンが持てないのだ。まあ大概の事はPCやスマホで片付けられるし大きな制約にはならない。PCのキーボードも、我流なので右手の小指でシフトキーを押すような(面倒な)ことはしていない。
 
 日常生活で一番困ったのは、箸が持てないこと。自宅では奥さんの白い目も気にせずフォークを使っているのだが、昼食はそうはいかない。スプーンかレンゲで済ませられるメニューを選ぶことになる。前日はカレーライスだったので、今日は中華にしようと東京駅北ガード下の「みろくや」にやってきた。炒飯も捨てがたいが、選んだのは「中華飯」(750円)。

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 以前このお店で「広東麺」を食べたが、麺の上に掛けていた餡をご飯の上に掛けたものである。決め手は厚切りの白菜。シャキシャキ感が残っていて、これが一番食べたかったもの。きくらげやタケノコ、銀杏、豚肉などがたっぷり入っていて、ボリューム感を増す餡にからめてある。ウズラの卵とエビ2尾は後乗せ。
 
 餡とスープの味はいつもながらの中華風で、この店では何を食べても似たような味。好きな味だし、ある意味安心できるわけだ。アクセントのシバ漬けもここの特徴、意外に中華味にあう。
 
 右手の4本指で、やや危なっかしくレンゲを使って食べました。混み合っている時間に食べるのが遅い客がいて申し訳なかったのですが、その分ゆっくり味わって美味しいと思って帰るので許してね。
 
<初出:2018.12>

海岸国家アメリカ

 いろいろな選択肢があり噂があったアマゾンの第二本社だが、ニューヨークのロングアイランドとワシントンDC付近のアーリントンに決まった。アーリントンは例の軍人墓地のあるところで、ポトマック川を挟んでDCの中心地モールの向こう岸にある。DCの地下鉄では2駅くらいで行ってしまう、明らかにDC圏内だ。

 
 
 なぜこの2カ所が選ばれたかというと、東海岸の政治・経済の中心地に本社を置き、優秀な人材を集めたいという理由だとこの記事は言う。すでに優秀な人材が集まっているところでなければ、人材は育たないし集められないということ。積極的な誘致活動をして有力な候補地と言われたインディアナポリスでは、この条件が満たせなかったのだ。(無念なり、アルバート・サムスン
 
 以前「東海岸と西海岸がくっついていてくれたら、移動が楽だったのに」というエスタブリッシュメントの言葉を聞いたが、あながち内陸の人口の少ない州を軽視した驕りとばかりは言えない。両海岸間の6~7時間のフライトは結構こたえるのだ。物理的にだけでなく、この記事にあるように人口3,950万人のカリフォルニア州でも58万人のワイオミング州でも上院の定数は2人づつだ。人口に比した政策ができるとは思えない。

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 ロングアイランドは金融はじめ経済の中心地だし周辺の人口も多いから当然本社を置くに値する場所なのだが、アーリントンは市場というよりは政策へのアプローチが狙いだろう。GAFAのような企業は次々と新しいビジネスモデルやデータ活用を考えないとすぐに新興勢力に取って代わられてしまう。しかし新しいそれらのものは法的規制の網がかかっていない領域にあることも多く、アイデアをビジネスとして実現するには、行政機関や立法府との水面下での交渉(ロビー活動ともいう)が必須だからだ。
 
 この記事にあるように、米国では地域の分断、企業の分断、住民の分断が日本以上の規模/速度で起きている。取り残された人たちはもちろん大変だが、時流に乗っているはずの人たちもちょっと油断すると転落してしまう。前者の不満と後者の不安を抱えて、米国社会の病理は進んでいくのでしょうか。
 
<初出:2018.12>

春盛り天ぷらそば(小諸そば)

 今年の冬は寒かったと思えるのも、春が来てくれたから。暖かい日が続いて、もうコートとは縁が切れそうだ。こうなるともりそばが食べたくなる。もともとかけそばよりもりそばが(もりかけ問題ではないので念のため)好きなのだが、真冬はどうしてもかけそば系になる。

 
 温かい日光に誘われて、足が八重洲の「小諸そば」に向いた。八重洲北口から道路を渡ったところに、「富士そば」や「松屋」が集まっていて、その中に「小諸そば」がある。大変こみ合う店で、昼前から午後1時ころまでは、店の外に行列が絶えることはない。カウンター席20弱、6人分の立ち席があるだけの小さな店だが、「小諸そば」のうちでは大きい方だ。回転がいいのでチケット発券、調理、利用者が食べ終わるタイミングがちょうどバランスしているように思う。それで、今回は「春盛り天ぷらそば」460円を注文した。

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 2つ汁椀があるのは、左が天ぷらのつゆ。添えられている大根おろしを入れる。右がそばつゆ、テーブル上にある(食べ放題の)きざみネギを入れ、ワサビを付けてそばを食べる。天ぷらは、アスパラとキス、キスの下に隠れているが、桜エビとタマネギのかき揚げである。アスパラが太めで少し固いかなと感じたが、小ぶりのキスはいい味。かき揚げも美味しかった。
 
 そろそろ「冷やしたぬきそば」もいいかな、と思いました。これからのランチが楽しみですね。
 
<初出:2018.3>

20世紀の残り物(指定金制度)

 指定金融機関制度というのは、自治体などの公共料金収納業務をいくつかの金融機関を指定してとりまとめさせる制度のこと。かつて当座預金口座にお金がそこそこ残留している時期には金融機関側にも多くのメリットがあり、収納に関する煩雑な作業を銀行などがタダ同然で引き受けるある種の「もたれあい制度」だったことは以前紹介した。
 
 すでにそのメリットが無くなって久しく、これまでの付き合いでいやいや指定金を続けている銀行も多いだろうと思っていた。ただ体面を重んじる銀行業界だからヤセ我慢をしても、自治体に向かって返上を言い出すことはないだろう。
 
 あるとしたら何かの大きな変化のとき、例えば合併によって体制が変わったときくらいに思っていた。A県のa銀行とB県のb銀行が合併、a銀行の方が頭をとってB県の指定金を辞退するようなケースだ。しかしFinTechなどにも積極的に取り組んでいて先進的と言われる三菱UFJ銀行は、関西地区10市の指定金融機関を辞退するとの記事があった。

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https://www.sankei.com/economy/news/190226/ecn1902260002-n1.html 

 このメガバンク三和銀行(関西中心)、東海銀行(名古屋地区中心)、東京銀行(国際業務に特徴)を三菱銀行が飲み込むような形で誕生している。今回切り捨て(失礼)られるのは旧三和銀行とつながりの深かった街を推測される。次は名古屋地区が辞退の対象になるのかもしれない。
 
 自治体も困るだろうなと思いながら、やはり根本問題は公金収納に手間(コスト)がかかりすぎることにあると思う。収納伝票(紙)を持ち込まれたら領収書(紙)を切り離して領収印を押印して返すことが、昭和24年の大蔵省令100号に書いてあって、銀行はこれを守るために紙の管理・輸送業になってしまっていた。このようなデジタル技術のない時代の規定が、恐らくはまだ生きているのだろう。

 銀行の業務は、かなりの部分がデジタル化されてきた。ただこういう公共機関とつながっているところはデジタライゼーションから取り残されている。それというのも公共機関の業務のデジタル化が進んでいないからだ。指定金融機関制度の崩壊は自治体にとって困ったことでしょうが、基はと言えば自分のデジタライゼーションの遅れが原因ということを理解してもらえば対処法は明らかだと思います。
 
<初出:2019.3>

 

ボリュームランチ(ビーフカレー)

 今年後半は、割合カレーを食べている。函館で「小いけカレー」を食べてからスイッチが入ってしまったようで、もともと好きなので目につくと食べるようになったわけ。ベジタリアンではないので、なんらかのお肉のベースは必要。基本はポーク、場合によってはチキン、特殊なものとしてエビなどのシーフードもあるけれど、高級品といえばビーフカレーになるだろう。

 
 しかし、ビーフカレーを食べたことは多くない。両面をしっかり焼くがナイフで斬ると中はまだ赤い「血の滴るようなステーキ」なら牛肉は有難いのだが、カレーのように煮込んでしまうならあえて高価な牛肉を使う必要はないように思うからだ。もちろんお店で食べても、ポークに比べてビーフカレーは高い。結局カレーソースなのでそんなに味に差は無いように思うから、注文するのはどうしてもポークになる。「CoCo壱番屋」によく通っていたころも、一度もビーフカレーは食べていない。その分のお金で、トッピングのひとつも増やしたいと思ってしまう。

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 ところが、「なか卯」のメニューにはカレーはビーフしかない。以前はワンコイン級のカレーライスもあったのだがいつの間にかなくなり、今は「プレミアムビーフカレー:690円」と「プレミアムビーフカツカレー:890円」の2つだけ。12月海外出張も重なり結構忙しかったせいで、オフィスに近い「なか卯」を利用することが多かった。今日は「なか卯」で何か目新しいものを食べたいと思い、「プレミアムビーフカレー」の食券を買った。
 
 例の鶏唐揚げ2個のクーポンも使って、運ばれてきたのがこれ。ビーフはおそらくはバラ肉、3個ばかりさいの目に切った固まりが入っていて、その他の具は見当たらない(ほど煮込まれている?)。ソースの色が濃いのが特徴だが、味そのものは決して辛くなく、マイルドなカレーだ。
 
 それなりに美味しかったし量も適当だったのだが、「プレミアム」の意味はわからないまま。また来月末までのクーポンが貰えたので、新年もお世話になることでしょう。「なか卯」さんもよいお年を。 
 
<初出:2018.12>