Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

40分での乗り継ぎ

 3月にフランス政府・産業界との小規模な国際会議に参加したのだが、今度は同じ趣旨でドイツ政府・産業界との会合をやると霞ヶ関から詳細の連絡があったのは先月はじめ。場所は当初ベルリンの予定だったが、最終的にはハノーファーで行われることになった。

 
 両政府がここを会議場に選んだのは、その時期ドイツ最大の展示会「Cebit」が開催されていたから。産業界の人はそこに集まるから、国際会議にも参加しやすいだろうとの判断だったようだ。それはいいのだが、日本からのこのこ出てゆく僕にとっては、ホテルやフライトが混むだろうなという嫌な予感がした。ホテルは中央駅から電車で30分くらいの郊外でとれたが、問題はフライト。いつもの青い日系航空会社中心に探してもらったところ、ミュンヘン乗り換え便でどうかと言われた。
 
 初めての街なので、明るいうちに着きたいと言っておいたからだろう。ハノーファー空港1910着は、この時期十分明るい。問題はミュンヘンでの乗り換え時間が40分しかないこと。定時到着率は世界的にも高い日系航空会社だからといって、何かトラブルがあれば乗り遅れてしまいかねない。それでも他の選択肢がなく結局この案でチケットを取ってもらった。
 
 日本発は羽田空港から、1230出発とこれは余裕。定刻に離陸し、10分程度は早く着くとの予定を聞いて少し眠った。バイカル湖付近で目覚め、お酒も控えて到着を待った。ゲートに着いたのが1720、ハノーファー行きの国内線の出発は1800。さあ、障害物レースのスタートである。
 

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 イミグレーションでは僕の並んだ列の進みが悪い。相当意地悪な管理官に当ったようだ。地下のシャトルを待っていると、やはりCebitに向かうらしい日本人グループが時計を見ながらそわそわしている。そして最後の保安検査場、ぎりぎり間に合ったかと思った矢先、前の人が持ち物検査でトラブル。それが済むのを待てとでかい管理官に言われた。「僕のフライトは1800だ」と言うと、「1分だけ待て」と言う。出発ゲートに着いたのは、2分前だった。
 
 僕の後にも何人かいたように思ったのだが、非情にも定刻にルフトハンザ機はドアを閉めてしまった。あの日本人グループ、保安検査場で僕より後ろにいたのだが、間に合ったのだろうか。航空会社は40分までなら規定範囲内と言ったそうですが、もうこんなアクロバットはこりごりですね。
 
<初出:2018.6>

ワンコインランチ(謎の台湾料理店)

 台湾料理「xx」という店が急増しているという記事があった。コンビニ等の店舗跡を簡単な補修をして、中国系の従業員を入れて出来上がりということらしい。メニューも決して台湾料理ではなく、普通に日本人がイメージする(和製)中華料理である。この記事では「謎の台湾料理店」と呼んでいる。

 
 
 僕の自宅付近でも、以前お酒の安売り店だったところが台湾料理店になっている。日高屋よりはメニューが豊富だし、近いので時々入ってみる。今回は休日のランチということで、最初に考えるのは「炒飯」である。

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 ドーム状に盛ってこないのは、テクニックがないのかぞんざいなだけか?まあ美味ければいいということで、僕はあまり気にしない。スープはもやしとワカメが入っていて、少し辛い。炒飯の具は、チャーシュー・ハム・ネギ・タマゴといったところ。割合とボリュームがあり、これで480円なり。
 
 かの記事にあるように従業員はみな中国人、日本語はかなり怪しい。仲間内でしゃべっているのを聞くと、広東系ではなく北京系のイントネーションのように思える。中国北東部からの出稼ぎ者だという記事の指摘とマッチする。ちょうど台湾旅行から帰った日に、この店で夕食を食べ「台湾から戻ったばかりだよ」と言ったのだが、きょとんとしていた。やはり台湾とは縁がない人たちらしい。
 
 まあお腹が空いている時に食べさせてくれればいいので経営事情は問いませんが、違法就労じゃないのでしょうね。
 
<初出:2017.4>

アフリカナガバノモウセンゴケ

 徐々に日差しが強くなってきて、まだ寒さは残るものの太陽が温かく感じられる。当家では、なるべく多くの緑を置きたくて、ベランダに面した室内などに雑多な鉢植えを並べている。そろそろ胡蝶蘭の花芽がでてくるころでもある。

 
 週に一度くらい水遣りをし落ち葉などを拾うのはいいとして、小さな羽虫が植物に付くのでそれがうるさい。室内でもあるし薬剤などは使いたくない。一時期クモが巣を張って羽虫を捕っていたが、それも見栄えがいいものではないし巣の下に小さなゴミが落ちているのも美しくない。
 
 昨秋、家内が近くのホームセンターで「食虫植物の寄せ植え」を買ってきた。4種類植えてあったのだが、2種類は枯れたように見える。地下茎などで生き延びていてくれればと思うのだが、残り2種類は元気である。中でも「アフリカナガバノモウセンゴケ」は、どんどん大きくなって盛んに羽虫を捕まえてくれる。

 

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 新しい葉が出てきて触手のように伸びてくる。その表面に突起と粘着性の何かが付いているようで、羽虫が触れるとトリモチのようにくっついてしまう。徐々に葉が成長して虫がたくさん付いてくるころ、葉が内側に曲がり始め虫たちを包んでしまう。
 
 そしてとっくに死んでいるであろう虫たちをゆっくり消化するのだと、ものの本に書いてある。特段世話もいらず時々水をあげればいいのだから、室内ガーデニングのお掃除係としては適任である。もう少し増やして、いろいろなところで虫掃除をしてもらうことにしました。
 
<初出:2017.2>

半島のカタストロフィ(4/終)

 宇宙・サイバー空間・航空・海上・海中の通常攻撃については、完全に被害を防ぐことはできないにしても、現行の防衛力でしのげるのではないかと述べた。しかし、非正規戦となると話は変わってくる。

 彼の国には、100万人の陸上戦力と10万人の特殊部隊がいると言われている。映画で見るような超人たちではないにしても、単独でも行動可能な士気の高い兵士がいることは間違いがない。現に陸軍中野学校出身の小野田少尉は、フィリピンのルバング島終戦後30年間も戦い続けた。

 仮に、半潜水艇などで4人の特殊部隊員を日本のどこかに上陸させ得たとしよう。ロケット砲のような重装備を持っていないとしても、自動小銃と拳銃、手榴弾でも持っていれば大変な脅威である。通常の警察力で制圧できるとは思えないし、宣戦布告などがない「平時」であれば、自衛隊の行動は厳しく制限される。原子力発電所など要警戒設備に侵入されなくても、イベント会場や大規模商業施設(ソフトターゲット)で人質でもとられたら、その地域は大混乱に陥るだろう。

 本来上陸される前に阻止すべきだが、これも「平時」と思われていたなら海上保安庁海上自衛隊も思い切った行動はとりづらい。何隻かは阻止できても、一部はまんまと上陸してしまうかもしれない。


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 以上は彼の国の統治機構が作動していて、ある程度の指揮命令の上で作戦が行われたケースを考えてのことだが、もっと困るのは指揮命令系統が作動しなくなった時である。簡単に言うと、彼の国が崩壊状態になり100万人の軍人が勝手に武器を取って「武装難民」となって日本海に出没するケースである。

 特殊部隊といえど軍人なので、ジュネーブ条約などは知っているだろう。勝ち目ナシと見れば、降伏するかもしれない。しかし武装難民にルールはない。あらゆる手段を使って略奪し、逃走する。包囲されたとしても、死ぬまで抵抗するだろう。組織的な移動手段は持っていないだろうが、日本海沿岸であれば漁船を奪ってでも荒らしまわることはできる。

 中東や地中海、ウクライナで起きているようなことが日本周辺でもおきるかもしれないと危惧する。そう、カタストロフィは突然やってくるものだ。
 
<初出:2017.3>

半島のカタストロフィ(3)

 「対話と圧力」と言いながら、実質的にはどちらも決め手に欠けていた対北朝鮮交渉なのだが、多くの日本人にとって「現状でも仕方がない」という感覚があったと思う。それがひょっとすると動くかも知れないとなった場合、その瞬間は突然にやってくる可能性が高い。杞憂かもしれないが、北朝鮮が暴発したらどうするべきか考えてみた。

 まず核など大量破壊兵器を積んだミサイルを撃って来た場合、これは第一撃を食らわないように祈るしかない。第一撃の後は、3・11に対応したのと同じ様に日本のレジリエンシィをどこまで発揮できるかにかかってくる。それ以外の「暴発」ならば、対応方法はある。

 最初に宇宙空間からの攻撃だが、彼の国は人工衛星を持っておらずサイバー攻撃などで既存の(軍事)衛星を乗っ取らない限り考えなくていいだろう。次にそのサイバー空間からの攻撃だが、彼の国に相応の攻撃能力があることは分かっている。僕は、2014年のソニー・ピクチャー・エンターティンメントを攻撃した時に米軍がその能力を見極めていてくれると(希望的に)期待している。その情報を日本の防衛省も持っていることも、期待している。

 それでも、局地的な被害はいろいろあるだろう。ウクライナの大規模停電やバングラディッシュ中央銀行からの不正送金などに類した、重要インフラへの攻撃に対処できることを期待したい。

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 次に通常の航空攻撃だが、これはサイバー攻撃等との同時奇襲に拠ったとしても成果が得られないだろう。機材も訓練も不十分であるから、日本領空にたどりつけるかどうか。さらに通商破壊戦のようなシーレーンを襲う話。まともな海上・海中戦力はないので、警戒を怠らなければ大きな脅威にはなるまい。

 ある意味通常の攻撃であれば、自衛隊の能力で撃退できると考えている。

<続く>