Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

終着駅は霞ヶ関

 霞ヶ関には東京メトロの、丸ノ内線・千代田線・日比谷線が乗り入れている。オウム真理教の「地下鉄サリン事件」も、この駅・路線で起こされた。そのほか、有楽町線桜田門駅と、銀座線虎ノ門駅が付近にある。ある日、千代田線大手町駅から霞ヶ関に行こうとしてふと案内表示を見ると・・・。


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 「終着が霞ヶ関という列車があるんだ!」と驚いた。あんな駅に、操車場や整備場があるわけはない。どうせ乗客を降ろした後、回送列車になるのだから営業運転すればいいのに、と最初に思った。しかしその次に、自分のことを思って、少し考え込んでしまった。
 
 学生時代に当時珍しかったコンピュータ・サイエンスを学び、社会人になってからもしばらくは技術者として働いていた。そんなころ、霞ヶ関などは全く用のないところだった。最初の関りは、ある機器を開発するにあたりCOCOM規制の対象かどうかの判定をしてもらうため、(当時の)通産省窓口へ何度か通ったこと。次は(当時の)郵政省のある機器開発に携わった時。
 
 そこまでは、手続きをお願いする先だったり、お客様だったりしただけのことである。まさか今のように、政策協議や意見交換で毎週のように通うことになるとは想像もしなかった。田舎の事業所で始まった僕の社会人人生ですが、いろんなところを巡った後終着駅は霞ヶ関になったのかもしれません。
 
<初出:2018.7>
 
 皆様、Archivesご愛顧ありがとうございました。あとは本編、Cyber NINJA 只今参上をご覧ください。

さよならサンクス

 ファミリーマートとユニーの統合が、いよいよ始まった。ユニー傘下のコンビニエンスストアである「サークルK」と「サンクス」はファミリーマートの看板に掛けかえられて行くことになる。これは2つの意味で感慨深いものを感じさせた。

 ひとつは、スーパーマーケットとコンビニエンスストアの位置関係である。7&i発足の時にも感じたのだが、上位にデパートがあって、次にスーパーマーケット、最後にコンビニエンスストア、という序列のようなものを無意識の内に持っていたから、下位の上位喰いのような印象を僕は持ったのだ。(コンビニさん、ゴメンなさい)

 だから中部地方では有力なスーパーであるユニーが、2つのコンビニチェーンを傘下に置くというのは素直に受け入れていた。それが昨今は、対等もしくはコンビニチェーンがスーパーを傘下に置くような勢いである。前回デパートを発明したフランス人兄弟やスーパーを最初に開いたアメリカ人のことを紹介した。その次に発生したのが7-11、AM7:00~PM11:00に開いている街角の店舗、コンビニエンスストアという業態である。

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 新しいものの方が優れているとは限らないが、よりその時代のニーズに合ったものが生まれてくるという原則から考えると、デパートはもちろんスーパーも衰退期に入ったのかもしれない。もうひとつは、全国ブランドの浸透がかなり進んできたなということ。ミニスーパーやコンビニについては、地方ブランドがかなり頑張っていた。北海道にはセイコーマート、中国にはポプラ、沖縄にはユニオンがある。
 
 かつては愛知県も大手コンビニの空白地帯だった。セブンイレブンなど他の大手が入ってからも、なかなか出店しなかった。多拠点ビジネスはある程度まとまって展開しないと、バックヤード含めて効率が悪い。試しに数店舗、と言うわけにはいかないのだ。バックヤード等準備に時間を取られたのかもしれないが、おそらくは地域性の壁があったのだろう。その地域に特有のもの(エビフライとは限らない)を用意しないと、客足を確保できない恐れがある。
 
 地域によっては、外来のものを嫌う傾向もある。それでも、ここにきて「地方の雄」だったユニー(&サークルK・サンクス)すら、全国ブランドに下ったのだ。インターネットの世界では、世界で一番優れた(ニーズにマッチした)ものだけが生き残る。それは極論としても、2~3の大手に収斂するのはあっという間だ。しかし、小売店舗というリアル世界ではそうはいかないと思っていた。それでも歩みは緩やかだとしても、その方向にこちらも進んでいるのだろう。そして次の時代は何が来るだろうかとも考えた。やはり、ネット通販だろうか?
 
<初出:2016.9>

今半のお弁当withアメリカ人

 業界団体の小さな会合で、太平洋を渡ってきたアメリカからの来客と会った。米国というかグローバル企業のセキュリティの専門家で、いろいろ関係機関を廻っているようだ。この業界団体では、12:00~13:30のランチタイムでスケジュールを組んでくれた。

 
 がっしりとした体格で、きれいに剃り上げた禿頭。J・C・ポロックの小説に「冷蔵庫のような体」の下士官がでてくるが、そんな感じ。アーミテージ議員を少し縮小したような人だ。握手をした手は分厚くて、ちょっと柔らかい。

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 ランチタイムなので、団体事務局が気を利かせて(張り込んで?)、今半のお弁当を参加者人数分手配してくれていた。お値段はいくらかわからないが、それなり以上に豪華なものだ。3段重ねのお重で、名前は「舞紅葉」というらしい。同封されていたチラシによると、
 
 右下:黒毛和牛すき焼き、奥久慈温泉卵
 右上:サンマ甘露煮、むかごしんじょう、カレイ西京焼き、ハモ紅葉上げ
 左:黒毛和牛モノステーキ、栗おこわ
 
 というわけで、日本の秋の豪勢を詰め込んだようなものだ。問題は、僕の英語能力のなさ。アメリカ人にいろいろ言われると、まともに箸を動かせない。ただでさえ英語で討論することなど難しいのに、空腹で脳内エネルギーが枯渇している状況で真っ当な議論などできようはずもない。ではエネルギーを補充しようとしても、箸がうごかないではどうしようもない。
 
 情けないとは思いつつもこの会話、できるだけ頑張りました。残念ながら、今半のお弁当、味が分からなかったので、もう一度食べたいです。
 
<初出:2017.11>

極東の多国籍海軍

 先ごろ、英国が極東に海軍を派遣するという記事があった。かつての大英帝国日本海軍の師匠でもあり、七つの海を支配した覇者である。近代的な巡洋戦艦「金剛」(のちに高速戦艦に改装)は、英国で建造されている。シンガポール在泊の高速戦艦「プリンスオフウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」は、日本軍の南方侵攻にとっての脅威だったが、太平洋戦争の開戦劈頭航空機によって沈めることができ、日本の軍部は胸をなでおろしている。

 
 衰えたとはいえ、英国海軍の底力は侮れない。フォークランド紛争では、犠牲は払いながらもアルゼンチン海空軍を圧倒した。そんな英国海軍が、北朝鮮の「瀬取り」を監視する目的で艦艇を派遣し、日米と共同するというのは有難い話だ。これに加えて、フランス海軍も同様の目的で艦艇を出していくれるという報道があった。
 
 
 フランス海軍というのは、日本人には馴染みがないかもしれないが核兵器保有国でもあり、航空母艦も持っている。第二次世界大戦では活躍することなくドイツに降伏したため知名度は低いが、それなりの実力を持っていた。それは今も変わらない。

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 日仏の2+2の会合で派遣が決まったということだが、特に権益を持たない極東にコストをかけて軍艦を出すというのには意味がある。マクロン大統領は米国離れも考えていて、「欧州軍創設」を主張している。その主導権をイギリスと争っているわけだ。
 
 これは単に北朝鮮対応ではなく、中国包囲網の一環をフランスも担うというメッセージ(もしくは意図)だと思う。それにしてもこのような記事が、中央日報など韓国メディアが伝えても日本の主要メディアは伝えていない。何か意図があるのでしょうか?それともまさか日本政府の制約があるとか・・・?
 
<初出:2019.1>

株主優待

 トランプ円安のおかげで、日本の株価も上昇している。上がっているのはありがたいのだが、できればモデレートに少しづつ上がるか、場合によっては現状維持でもいいと思う。僕も、個人の資産(といってもほんの僅かしかないが)のポートフォリオの一つとして、日本株も少し持っている。

 
 資産管理が目的なので、長期に、安定的に持っていたいから上記のように思っているわけ。この場合、楽しみなのは配当である。最近日本の企業も、比較的配当を上げるようになってきた。ある政党などは「大企業の内部留保を吐き出させろ」と叫んでいるが、実際内部留保は増えている。しかし昔よりは株主還元という考えも、日本企業の経営者に根付いてきたように思う。
 
 米国の企業経営者は、株主の方だけを見て経営するとも言われる。資本(原理)主義としては、正しいことかもしれない。日本の企業経営者は、従業員代表のような面があり株主軽視の傾向があった。今は、株主も消費者も従業員も全て企業のステークホルダーだという考え方が台頭してきていて、上記両者の中間あたりがいい塩梅だと思う。
 
 さて配当以外のお楽しみというと、株主優待がある。「優待生活」などという言葉もあり、引退したプロ棋士株主優待で暮らしているという報道(宣伝?)もある。僕にも、優待狙いで持っている株式がある。一番上は吉野家HDの優待券。牛丼はもちろんはなまるうどんやステーキハウス「フォルクス」でも使える。100株以上の株主に年間6,000円分のクーポンをくれるので、かなりお得。

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 次は、同じようにビックカメラの優待券。これらは紙ベースで配布されてくるが、一番下のアトムの優待券は少し進化している。アトムは北海道という居酒屋チェーンなど広範な事業を展開しているコロワイドの子会社。自らも回転ずしアトムボーイなどを運営している。株主優待は、コロワイド・アトム両者の運営する多くの外食チェーンで使うことができる。アトムの株式1,000株を保有していると、年間40,000ポイントがこのカードに付与される。そのポイントをこれらのお店で、1ポイント=1円で使えるからお得感が大きい。
 
 株主になった時にカードが郵送されてくるが、それ以降は電子的にポイントが追加されてくるのだから発送コストがかからない。合理的なシステムだ。さらに進めてカードすら送らず、スマホにクーポンとしてダウンロードということもできるかもしれない。今後多くの株主優待がこのような形態になっていくだろうと期待している。
 
<初出:2016.11>